2013年5月26日日曜日

外国人から見た日本人の色彩感覚 − ここがイイね,ここがヘンだよ

20130524に開催された色彩学会大会のプレイベント。留学生が日本で見た色につ
いて語るという企画である。

大変簡略に言えば、「自国で見かけない固有の色はいや、カラフルなものは好
き。」とまとめることができるだろう。

ロシア、シンガポール、スリランカ、中国、台湾。各国の留学生が共通に挙げた
Weird(異様な、風変わりな)な色が、リクルートスーツの黒 (チャコールグ
レー)である。グレーでも、紺でも、フォーマルならいいじゃないかというの
が、彼女らの言い分だ。「いや、私が就活した25年前 は、私くらいしかチャ
コールグレーのスーツを着た学生はいなかったんだよ。みんな紺だったんだ。」
そう言ったら、彼女たちはきっとびっくりするだ ろう。私だって不思議だもの。

ヨウジヤマモトの服を引き合いに出した学生、黒いパッケージの商品を紹介した
学生、スーツの他に喪服を出した学生。
以前、黒い服を葬式以外で着るのは日本人とフランス人くらいだという話を聞い
たことがある。[黒]は違和感のある(=日常的でない)色なのだろう か。確
かに、プレゼンテーションを見ていると、日本人は黒を使いすぎだと感じた。
なんでそんなに黒が好きなのかねぇ。

「かばんなのに赤(ランドセル)」、「帽子なのに黄色(安全帽子)」、「ポス
トなのに朱(中国では緑なのだとか。ドイツは黄色ですね。)」など、 母国で
定まった色がある場合には、違和感を感じてWeirdになる。

一方、いいと感じるのは自然の色。「桜」、「青空」、「紅葉」。こういうもの
は、母国にはないもの。
茶色のチョコレートパッケージよりピンクや緑を使ったパッケージがいいという
のも、母国にはないカラフルさがいいのだろう。

人は、文化に規定され、母国にはないあでやかなものを求めているということが
わかったのだった。
そういうことなのだなぁ〜。